ダクトの圧力損失計算

皆さん、こんにちは。タンです。
今日は、ダクトの圧力損失計算を学習いたします。

 ダクトの圧力損失について

• 空気がファンの機外静圧によりダクトの中に流れさます。
• そのとき、ダクト内面にぶつかって、摩擦で失われる圧力があって、圧力損失といいます。
• 空気が必要場所までに届けることができるために、ファンの機外静圧は圧力損失より大きいが必要となる。

 ダクトの圧力計算かた

• 等速法:全ての区間でダクト内風速が設計速度程度となるようにダクト径を決定する方法です。
• 定圧法:全てのダクト1mあたりの摩擦損失に同じ値を用いてダクト寸法を決定する方法です。

 ダクトの圧力損失計算(等速法)

1. 部分の圧力損失 (P1)
動圧 Po=(1/2) x (ρ) x V2 (Pa) 
ρ(ろー):空気密度 (kg/㎥) (=1.2)
V2: 風速(㎥/h)
圧力損失[Pa]=摩擦係数×動圧[Pa] x 長さ[m]/丸ダクト直径
P (Pa)= λ x Po x L / D
λ(らむだ):摩擦係数
Po: 動圧(Pa)
L: 長さ(m)
D: 直径(m)

2. 継手部分の圧力損失(エルボ、ベンド、フィルタ、分岐、フレキシブル継手、) (P2)
圧力損失=個数 x 動圧[Pa] x 抵抗係数
P(Pa) = n x Po x λ

3. 屋外端末の圧力損失(ベンドキャプ、防火ダンパー) (P3)
• 圧力損失[Pa]=抵抗損失曲線で確認
• 圧力損失[Pa]=動圧[Pa]×抵抗係数

4. ダクト経路におけるすべての圧力損失
P = P1 + P2 + P3 (Pa)

部屋情報
部屋名:エントランス・受付
面積S:35.85(㎡)
占有面積H:5(㎡/人)
収容人数 n:S/H = 35.85/5 = 8人
単位換気量 q:30(㎥/人・h)
必要風量:Q= q x n =30 x 8 = 240(㎥/h)
有効換気量率:0.85
換気扇風量:240/0.85=282(㎥/h)

1. ダクト直管損失計算
•ダクト:スパイラルΦ150、 λ:0.025
•長さ:2.1 + 1.4 = 3.5 (m)
•風量:282(㎥/h)→速度:4.44(m/s)
•動圧: (1/2) x (1.2) x (4.442) = 11.8(Pa)
•圧力損失:0.025 x (3.5/0.150) x 11.8 = 6.88(Pa)
•補足:ダクト摩擦係数 (λ)
•λ=0.0055 x { 1 + [(20000 x (ε/d) + 10^6 x (1/Re)]^(0.333)}
•ε:絶対阻度(m), スパイラルダクト:0.00015
•Re:レイノルズ数 = (v x d) x (1/ν)
•V: 流体速度、d:ダクト直径、ν:動粘性係数 (0.000015)
•Re = (2.65 x 0.15) x (1/0.000015) ≒ 44300
•λ=0.0055 x {1 + [(20000 x (0.00015) + 10^6 x (1/44300)]^(0.333)} = 0.024695 → λ=0.025

2. エルボ圧力損失計算
•エルボ(90°) 2個
•抵抗係数:0.22
•エルボ(90°)の圧力損失:2 x 11.8 x 0.22 = 5.2(Pa)

3. 屋外端末圧力損失計算
•ベンドキャップ:防火ダンパー付き(FY-MFAA063)
•ベンドキャップ圧力損失:23 (Pa)





4. ダクト経路におけるすべて圧力損失
•(ダクト直管圧力損失+エルボ圧力損失+ベンドキャップ圧力損失)
= (6.88 + 5.2 + 23) = 35.08 (Pa)
•余裕係数:1.1
•ダクト経路におけるすべての圧力損失の合計は 35.08 x 1.1 = 38.58 (Pa)

設備:熱交換気ユニットカセット形
パナソニック:FY-M350ZB10
•換気量:282(㎥/h)
•L-1モードで運動可能となります。

備考
パナソニックソフト(V-up3)計算