過度現象

RL回路の過度現象について学習いたします。

1.定義

•過度現象とはある定常状態から別定常状態に移るまでに起こる現象のことを言います。

•過度現象は、スイッチを切り替えた場合や回路素子の値が変わった場合など、回路の状態が変化することによって起こり、過度現象はコイルやコンデンサーを含む回路で起こります。

•定常状態とは時間が十分に経過し、電圧や電流などが一定の値になって変更していない状態です。または、電圧や電流などが周期的に一定の繰り返しになっている状態のことを言います。

2.RL直列回路の過度現象

•まず、スイッチはa位置に閉じて一定電圧E(V)を急に加えた場合が閉路時です。
回路方程式(微分方程式)を書く

初期条件はt=0の時I(t)=0なので、ラプラス変換すると RI(s)+LsI(s)=E/s

⇒ I(s){R+Ls}=E/s

I(s)=E/(s(Ls+R))=E/R{1/s-1/(s+R/L)}

•I(t)=E/R {1-e^(-Rt/L) }

•T=L/R:時定数(s)

※ 定常状態では:  I(t)=E/R    (A)

•次は、定常状態aからスイッチをb位置に閉じた場合。
•微分方程式を書く
•L di(t)/dt+Ri(t)=0         (1)
•初期条件: I(0)=E/R    (A)

•ラプラス変換する
•L(L di(t)/dt)=LsI(s)-LI(0)
•ℒ(Ri(t))=RI(s)
•(1)⇒LsI(s)-LI(0)+RI(s)=0
•I(s){Ls+R}=LI(0)
•LI(s){s+R/L}=L E/R
•I(s)=E/R{1/(s+R/L)}

•逆ラプラス変換する
•I(t)=E/R (e^(-Rt/L) )       (A)
•時定数T=L/R            (s)
※ 定常状態ではI(t)=0    (A)