第2種電気工事士学科試験問題シリーズ(4)

皆さんこんにちは!タンです。

今日は令和5年度上期一般問題を続けます。

問題6:

問題6

解答:

この問題は、3相3線回路に関する問題です。

1線の電力損失は抵抗で消費電力です、Q(J):

$$ Q =UIt = I^2Rt(J) $$

1秒で消費電力とはP(W)です。

$$ P = \frac{Q}{t} =UI = I^2R (W) $$

U:抵抗両端電圧(V)
I:抵抗に流れる電流(A)
R:抵抗値(Ω)
問題より、I=10(A)、R=0.15(Ω),
ので、

$$ P =UI = I^2 = {10} \times {10} \times {0.15} = 15(W) $$

3線がありますので、“3倍”になります。

$$ P_{\sum} = {3} \times {P} ={3} \times {15} = 45(W) $$

解答

です。

一言:

3相3線ですので、“3倍”忘れないように。
電力損失と抵抗に消費電力と同じです。

問題7:

問題7

解答:

この問題は電力損失問題です。
解決方は回路ごとに電力損失計算します。

電力損失式は

$$ P(抵抗) =UI = I^2R(W) $$

U:抵抗両端電圧(V)
I:抵抗に流れる電流(A)
R:抵抗値(Ω)
抵抗負荷で流れる電流計算します:

$$ P =U・I $$

ので、

$$ I = \frac{P}{U} (A) $$

P:抵抗負荷電力(W)
U:抵抗負荷両端電圧(V)
I:抵抗負荷に流れる電流(A)

●1φ2W(1相2線)

問題より、P(A) = P(B) = 1kW = 1000(W)
U(A) = U(B) = V = 100(V)

抵抗負荷Aで、

$$ I(A) = \frac{P(A)}{U(A)} = \frac{1000}{100} =10(A) $$

抵抗負荷Bで、

$$ I(B) = \frac{P(B)}{U(B)} = \frac{1000}{100} =10(A) $$

1φ2W(1相2線)回路図1

直列回路ですので、回路に流れる電流Iとは抵抗負荷(A)に流れる電流I(A)と抵抗負荷(B)に流れる電流I(B)の和です。

I = I(A) + I(B) = 10 + 10 = 20(A)
電力損失

P(抵抗) = UI = I2R = 20 × 20 × 0.2 = 80 (W)

2線がありますので、“2倍”になります。

$$ P_{\sum} = {2} \times {P} ={2} \times {80} = 160(W) $$

1φ2W(1相2線)回路図2

●1φ3W(1相3線)

問題より、P(A) = P(B) = 1kW = 1000(W)
U(A) = U(B) = V = 100(V)

抵抗負荷Aで、

$$ I(A) = \frac{P(A)}{U(A)} = \frac{1000}{100} =10(A) $$

抵抗負荷Bで、

$$ I(B) = \frac{P(B)}{U(B)} = \frac{1000}{100} =10(A) $$

1φ3W(1相3線)回路図1

中性線に流れる電流とは抗負荷(A)に流れる電流I(A)と抵抗負荷(B)に流れる電流I(B)の差です(キルヒホッフの法則1)。

I(中) = I(B) - I(A) = 10 - 10 = 0(A)
電力損失

P(R1) = UI = I2R = 10 × 10 × 0.2 = 20(W)
P(R2) = UI = I2R = 10 × 10 × 0.2 = 20(W)
P(中性線) = UI = I2R = 0(W)

$$ P_{\sum} = P(R1) + P(R2) + P(中性線) = 20 + 20 + 0 + = 40(W) $$

ので、単相3線式回路の電力は単相2線式より小さくなりました。

1φ3W(1相3線)回路図2

解答

です。

一言:

負荷電圧と電線抵抗の電圧と違います。
キルヒホッフの法則1は分岐点で電流、キルヒホッフの法則2は閉じる回路の電圧です。
単相3線式では電力損失は単相2線式より小さいですので、よく使われています。

では、今日の令和5年度上期一般問題(4)を終わらせていただきます。
ありがとうございました。